体外受精 排卵誘発体外受精 排卵誘発

卵巣刺激について卵巣刺激について

当院では良い卵を多くとるために原則として排卵誘発剤を用いた卵巣刺激を行っています。卵巣刺激の方法は大きく分けて4種類(GnRHaロング法・GnRHaショート法・クロミフェン法・自然周期法)です。
このうち最も患者さんに適していると思われる方法を選択して行いますが、まれに卵が育たないあるいは採卵前に排卵してしまうなどの理由でその周期の治療を中止せざるを得ない場合があります。

① ロング法

生理開始約1週間前より点鼻薬を使い、生理3日目からFSHやhMGの注射をおこないます。卵胞の発育やホルモンの上昇を確認し採卵日を決定し、午後10時にHCGの注射をし、その34~36時間後に採卵をおこないます。点鼻薬はHCG注射当日の朝まで使用していただきます。

メリットとしては十分にホルモンを下げてから注射を開始するため、質の高い卵子ができる可能性が高く、また点鼻薬を使うことで採卵前に排卵する心配がなく行えるということがあげられます。ただし、必要な注射の量は他の方法に比べて多くなります。

② ショート法

生理1日目より点鼻薬を使い、生理3日目からFSHやhMGの注射をおこないます。卵胞の発育やホルモンの上昇を確認し採卵日を決定し、午後10時にHCGの注射をし、その34~36時間後に採卵をおこないます。点鼻薬はHCG注射当日の朝まで使用していただきます。

点鼻薬の使用期間が短くてすみ、注射の量もロング法より少なくすみます。ただし、卵の育ち方が不ぞろいになったり、まれではありますが、採卵前に排卵が起こってしまう場合があります。

③ クロミフェン(+hMG/FSH)法

生理3日目よりクロミッドを内服し、必要に応じて5日目よりFSHやhMGの注射をおこないます。卵胞の発育やホルモンの上昇を確認し採卵日を決定し、午後10時~11時(指示させていただきます)にHCGの注射または点鼻薬(GnRHa)の投与をおこない、その34~36時間後に採卵します。

排卵誘発剤の内服薬と注射の併用なので少量の注射で卵胞の発育が得られます。刺激が弱いため採卵数は少なくなりますが卵巣過剰刺激症候群も起こりにくくなり経済的・肉体的な負担は比較的軽くなります。しかしながら他の方法に比べて排卵の引き金になるホルモンの上昇(LHサージ)が起こり採卵前に排卵してしまう可能性が高くなりますのでLHサージを抑える薬(GnRHアンタゴニスト/セトロタイド)の使用が必要となることがあります。

④ FSH+アンダゴニスト法

生理開始3~5日目よりFSHやhMGの注射をおこないます。卵胞の発育やホルモンの上昇を確認し採卵日を決定し、午後10時にHCGの注射または点鼻薬(GnRHa)の投与をおこない、その34~36時間後に採卵します。

刺激が弱いため採卵数は少なくなりますが卵巣過剰刺激症候群も起こりにくくなります。しかしながら他の方法に比べて排卵の引き金になるホルモンの上昇(LHサージ)が起こり採卵前に排卵してしまう可能性が高くなりますので採卵前に数回のホルモン検査やLHサージを抑える薬(GnRHアンタゴニスト/セトロタイド)を使用しながら卵を育てます。

使用薬剤について使用薬剤について

① GnRHa(GnRHアゴニスト製剤/ナサニール点鼻薬)

本来は子宮筋腫や子宮内膜症の治療をするためにホルモンを抑える働きのある薬です。ロング法ではこれを長期間使用することで注射の刺激のみで卵を育てるため質の高い卵が多くとれると考えられています。使用開始初期に脳からのホルモンを出しやすくする働きがあり、ショート法では卵胞を育てる効果もあります。いずれの方法でも採卵前の自然排卵を抑える働きを期待して使用します。

クロミフェンや自然周期法の際にHCG注射のかわりにこれを用いて脳を刺激し採卵直前の卵の発育を促すのに用いることもあります。

② hMG/FSH 製剤

脳下垂体から分泌される卵胞ホルモンと同様の作用の薬です。通常150~375単位を注射します。

③ HCG製剤

脳下垂体から分泌される黄体化ホルモンと同様の作用の薬です。卵の最終的な発育を促すために投与が必要ですが、卵巣過剰刺激症候群が悪化する原因ともなりうるのでHCGのかわりにGnRHa点鼻薬を使用しいただく場合もあります。

④ GnRHアンタゴニスト/セトロタイド

GnRHアゴニストと同様に脳下垂体からのホルモン分泌を抑え自然排卵を防ぐ注射です。GnRHアゴニストと違い使用開始時の一過性のホルモンの増加がないのが特徴です。ロング法やショート法以外の排卵刺激をおこなっているとき通常卵胞の大きさが14~16mm以上になったら採卵の2日前まで毎日注射します。

⑤ クロミフェン

体外受精だけではなく広く一般的に使用される排卵誘発剤の飲み薬です。
排卵を促す効果は比較的強いのですが長期間の使用で子宮内膜が薄くなり逆に妊娠しずらくなることがありますので。当院では通常はhMG/FSH 製剤の注射を併用しておこないます。
また、クロミフェンに代わってフェマーラという排卵誘発作用のある薬剤を使用することもあります。

※診察の度に詳細なスケジュール表をお渡しして確認させていただきますが不明な点があれば遠慮なくお尋ねください。

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